盛田へ工場見学 ~Vol.2~

常滑の盛田では、お味噌とたまり醤油の工場も拝見しました。

蒸した大豆を潰してから味噌玉マシーン(正式名は、玉握り機)にかけます。
私は自分でも毎年味噌を作るのですが、これは便利だと感心しました。
コロコロに丸まった味噌玉に麹をまぶして、
温度管理された部屋で2日ほど寝かせてから
塩水と一緒に仕込みます。
そうやって作られた豆味噌がたくさん並んだ樽に、重石されて入っています。

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蔵の片隅に、常滑焼きとのコラボレーションで
実験的に味噌を陶器で仕込んでいる最中でした。
陶器で仕込むと水分が逃げない影響のせいか、
アミノ酸の数値が多くなり、
うまみの強い味噌に仕上がってきたとのことです。

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高温多湿の常滑の気候は、自然の環境で田舎味噌を作ると
発酵が進みすぎて、色が黒くなってしまうそうです。
熟成する豆味噌に適した環境だったことから盛んになったと言われているそうです。

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これは、味噌や醤油に使う塩水。白いのは泡でなく、塩です。青い袋は塩の1トン袋!

業務用のメニュー開発のお仕事が多い私は、
盛田というと最初に頭に浮かぶのは、たまり醤油。
一般的な醤油メーカーさんでは、6~7ヶ月で作るのですが、
盛田のたまり醤油はじっくり1年かけて寝かせてから重石をかけて絞ります。

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醤油を絞る機械。無理にギュウギュウ絞るのでなく時間をかけて絞ります。

関西のうなぎ屋さんなどで、盛田のたまりでないと
おいしいウナギのタレが作れないというところもあるそうです。

たまり醤油を仕込んでいる蔵には、麹と豆のふくよかな香りが充満していました。
味の館で盛田の味噌を使ったおでん定食をいただきました。
東海圏では、おでんに甘い味噌ダレは一般的です。
ねのひにピッタリで、おいしかった♡

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昔からの作り方をしている工場を拝見できたことで、
日本食の基本となる調味料のルーツを少しだけ理解できました。

明治神宮で新年に行われた「包丁の儀」で偶然お会いした
元盛田の方とのご縁で実現した、今回の工場見学でしたが、
味の館の館長さんを始め、関係者の方々には本当にお世話になりました。
ありがとうございます。

盛田味の館
開館時間 10:00~16:00
休館日 毎週水曜日・お盆・年末年始
所在地 〒479-0807 愛知県常滑市小鈴谷字脇浜10番地
TEL 0569-37-0733

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