野菜のラブレター。

私の真空調理や新調理の師匠は、某ホテルの料理長だった方で、国賓や天皇陛下にもお料理を作ったことがある方です。
その方が常々おっしゃっているのは、
「調理は最終的にお客様の口に入るときにおいしいことが、一番大切。」
大量調理だから仕方ないという言い訳ができない世界にいらした方なので、お客様に提供するときの安全性や味、温度など、計算されつくしていて、とても厳しかったです。
 
先日、普通は小売りしていない大好きな農家さん達にお願いして、プライベートで使う野菜を送っていただいたのですが、この方たちの作る野菜は、とにかく特徴があります。
こだわり野菜をウリにするレストランに卸している野菜なので、珍しい品種だったり、カラフルだったり美しいのですが、なにより、農家さんが目指した野菜の味がキチンとします。
 
農作物は立地に応じて向くものと作り方がいろいろあって、無農薬とかオーガニックとか、〇〇農法など、それぞれの農家さんの哲学がありますが、他と比較したり、どんな風に使われるかまで想定できている方は少ないと思います。
(そういうことは、私たちのようなプロがすればいいから、必要ないのかもしれませんが)
 
 
極端な例ですが、私の知っている農家さんは、卸している先のレストランに食べに行って、皿の大きさとシェフの盛り付けを見てきます。
レストランによって、出荷する野菜の大きさを変えているそうです。
私の師匠の言う、最終的にどう使われるかの想定をして商品を提供していること重なりました。
 
大量生産で加工にしたり、スーパーなどに大量に卸す野菜も大切ですが、付加価値を付けたい野菜は、最終系を想定して作ることが必要だと野菜達から学びました。
 
農家さんの想いのこもった野菜を前にすると、島田はラブレターをもらったようにドキドキします。
ごちそうさまでした!



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